對馬監督より受賞のコメント
困った。設計図が二次元で収まらず、得体の知れない多次元になってしまった。空気が設計図の周りだけ明らかにおかしい。言葉では表現出来ない。五感では感じられない。でも何かが渦巻いている。
最初に「困った」と言ったのは、設計図自体を提出するわけにはいかず、これを何らかの形にしなくてはならないからだ。果たして今の自分にそれが出来るだろうか。悩んでいても納入日は迫っている。時間は焦りと共に加速度を上げてゆく。設計図は雲のように私の机の上で泳いでいる。
煙草を吸いながら設計図を見ていた。「困らせやがって」という気持ち半分、「可愛らしいわね」という気持ち半分で。
私は設計図をビニール袋で掬い、金属バットで粉々にした。そして自分の手元のもので、既存のもので、設計図になるべく忠実にそれを形にしていった。
完成した作品に私は設計図の破片をセロテープで貼った。不格好だが仕方が無い。こうしないといけない気がしたからだ。
出来上がりを見て下さった方々は作品本体では無く、貼付けられた設計図に興味を示した。残念ながら会場には私は居なかったのだが、そう感じる。
結果的に言えば、得体の知れない設計図をしっかり形にする力は私にはまだ無い。だけど作品本体を評価してもらわなければ、いつまでも不格好なままだ。日々邁進するのみ。今の心境です。私の作品に関わった方、観て下さった方全てに感謝します。五体同地。 |